車を売ろうと考えたとき、誰しもが思うことがあります。「少しでも高く売りたい」と。
数万円、場合によっては十数万円も買取額が変わるなら、売る時期を調整したいと考えるのは当然です。私は20年以上、車買取の現場で多くのお客様と接してきましたが、「先月売っていればもっと高かったのに」と後悔される方を数多く見てきました。
逆に、タイミングを見極めただけで、相場以上の高値で売却できた方もいらっしゃいます。
この記事では、中古車業界の裏側を知り尽くした私が、車買取が高い時期の真実と、損をしないための売り時の見極め方について、包み隠さず解説します。
結論から申し上げますと、カレンダー上のベストな時期は存在します。しかし、それを待つことが必ずしも正解とは限りません。あなたの愛車にとって最高の売り時を逃さないよう、ぜひ最後までお付き合いください。
車買取が高い時期は「1月~2月」と「7月~8月」がピーク
車を高く売るためのセオリーとして、1年の中で明確に相場が上がりやすい時期が2回あります。それが「1月から2月」と「7月から8月」です。
なぜこの時期に買取価格が高騰するのか、そのメカニズムを理解しておくと、業者との交渉でも有利に立てます。
中古車市場が1年で最も活発になる「決算期」の仕組み
最大の要因は、中古車販売店や買取業者の「決算」です。
日本の多くの企業は3月が決算月です。自動車業界も例外ではなく、3月の決算に向けて1年間の売上目標を達成しようとラストスパートをかけます。中古車販売店は、3月に車をたくさん売るために、その前段階である「1月から2月」にかけて在庫を大量に確保しなければなりません。
また、9月の中間決算に向けた「8月」も同様の動きが見られます。この時期は、市場全体で「車が欲しい(仕入れたい)」という需要が供給を上回るため、自然とオークション相場や買取相場が上昇するのです。
なぜ業者はこの時期に無理をしてでも車を買い取るのか
私が現場にいた頃もそうでしたが、決算期前の査定員は上司から「何としてでも台数を買ってこい」と強いプレッシャーをかけられています。
通常であれば利益が出ないようなギリギリの価格であっても、会社の売上台数目標やシェア拡大のために「赤字にならなければOK」という判断で高額査定が出やすくなります。普段はシビアな業者も、この時期だけは財布の紐が緩むのです。
特に、人気車種や状態の良い車であれば、業者間での取り合いになります。その結果、オークション相場を無視したような驚きの価格が提示されることも珍しくありません。
10万円変わることも?需要期と閑散期の査定額差
では、実際にどれくらい金額が変わるのでしょうか。
車種や車両状態にもよりますが、需要のピーク時と閑散期(例えば4月や12月など)を比較すると、一般的なファミリーカーで5万円から10万円、高級車や人気SUVであればそれ以上の差が出ることがあります。
さらに、この時期は「新生活の準備」や「ボーナス商戦」とも重なります。
- 1月~3月 4月からの就職、進学、転勤に合わせて車を購入する人が急増します。
- 8月~9月 夏のボーナス支給後で財布の紐が緩み、購買意欲が高まります。
販売店側も「仕入れればすぐに売れる」という確信があるため、強気の価格で買い取ることができるのです。
「高い時期」まで待つべき?今売るべき?プロが教える判断基準
ここで多くの方が悩むのが、「今は時期じゃないから、次の高い時期まで待つべきか?」という問題です。
例えば現在が5月だとして、次のピークである8月まで待つべきでしょうか。私の経験から申し上げますと、基本的には「思い立ったその日」が一番の売り時であることが多いです。
その理由を、数字を交えて解説します。
重要なのは「季節のプラス分」と「時間のマイナス分」の比較
車買取において忘れてはならない大原則があります。それは「車は1日古くなるごとに価値が下がる」ということです。
「高い時期」を待つということは、同時に「車が古くなる」ことを意味します。ここで天秤にかけるべきは、以下の2つです。
- 時期による上昇期待値 繁忙期になることでアップする査定額(例:+3万円)
- 経過期間による下落額 待っている間に下がる車両価値(例:-5万円)
もし下落額の方が大きければ、高い時期を待った結果、手元に残るお金は減ってしまいます。これを「待ち損」と呼びます。
1ヶ月で車の価値はどれくらい下がるのか
車種によって異なりますが、一般的な国産車の場合、1ヶ月経過するごとに数千円から数万円単位で価値が目減りしていくと考えてください。
これは「減価償却」のような考え方です。新車登録から時間が経てば経つほど、市場価値は確実に下がります。特に、高年式の車(新しい車)ほど、時間の経過による値下がり幅は大きい傾向にあります。
3ヶ月待って相場が少し上がったとしても、その間に車の基本価値がそれ以上に下がってしまえば、トータルではマイナスです。「時期」という不確定な要素よりも、「鮮度」という確実な価値を優先すべきケースは多々あります。
走行距離の節目(10万キロなど)を超えるリスク
時間を置くことの最大のリスクは、走行距離が増えてしまうことです。
中古車査定には「大台」と呼ばれる基準が存在します。 例えば、「3万キロ」「5万キロ」「10万キロ」といった節目です。
- 2万9000キロの車
- 3万1000キロの車
この2台は実質的なコンディションに大差はありませんが、査定額には大きな差が出ます。これを「大台割れ」と言います。
もし、高い時期を待っている間に週末のドライブで距離が伸び、3万キロや5万キロの大台を超えてしまったらどうなるでしょうか。季節要因のプラス分など吹き飛ぶほどのマイナス査定を受けることになります。現在、走行距離がキリの良い数字に近い場合は、時期を問わず一刻も早く手放すのが賢明です。
車検残期間と自動車税の還付も計算に入れる
車検の残り期間も査定額に影響します。「車検がたくさん残っているから高く売れる」と思われがちですが、実際には「車検を切らさない」ことの方が重要です。
車検までの期間が短くなると、次のオーナー(または販売店)がすぐに車検を通さなければならず、そのコスト分が査定額から引かれます。また、車検を通してから売ろうとすると、車検費用(10万円前後)以上のプラス査定が付くことは稀ですので、結果的に損をします。
さらに、自動車税の還付も考慮しましょう。普通車の場合、抹消登録をすれば未経過分の自動車税が月割りで戻ってきます。軽自動車には還付制度がないため、3月中の名義変更がより重要になります。1ヶ月売却が遅れると、1ヶ月分の税金還付を受け損ねることになります。これも実質的な手取り額の減少です。
車種によって異なる「売り時」のベストタイミング
ここまで全体的な傾向をお話ししましたが、実は車種のタイプによっても「需要が高まる季節」は異なります。自分の車の特性を知ることで、よりピンポイントな売り時が見えてきます。
オープンカーやSUVに見られる季節需要の波
趣味性の高い車は、季節の影響をダイレクトに受けます。
- オープンカー 春から初夏(3月~5月)にかけて需要がピークになります。暖かくなり、屋根を開けて走りたいという心理が働くためです。逆に真冬は需要が落ち込みます。
- 4WD・SUV 冬のレジャーシーズン前(10月~11月)に需要が高まります。スキーやスノーボードに行く人、降雪地域の人が購入を検討し始めるからです。
こうした車種にお乗りの場合は、一般的な決算期だけでなく、その車の「旬」を意識すると良いでしょう。
軽自動車やファミリーカーは新生活準備の時期が狙い目
軽自動車やミニバンなどのファミリーカーは、生活必需品としての側面が強い車です。
そのため、就職、進学、子供の送迎などが始まる「4月」に向けて、最も需要が高まります。具体的には、車を探し始める「1月から3月」が最大の売り時です。この時期は多少状態が悪くても、「足として使えればいい」という需要があるため、値段が付きやすい傾向にあります。
フルモデルチェンジの噂が出たら「即売却」が鉄則な理由
季節以上に恐ろしいのが「フルモデルチェンジ」です。
新型モデルが発売されると、それまでの現行モデルは「旧型」となり、市場価値がガクンと下がります。場合によっては一夜にして数十万円相場が下落することもあります。
メーカーから新型の発表があったり、自動車雑誌でスクープが出始めたりした段階で、相場は反応し始めます。「来年新型が出るらしい」という情報を耳にしたら、季節を問わず、すぐに査定に出すことを強くおすすめします。旧型になってからでは取り返しがつきません。
3月の高価買取を狙うなら「1月」から動かないと手遅れになる
「よし、3月が決算期だから3月に売ろう」と考えた方、少しお待ちください。それでは手遅れになる可能性が高いです。
ここからは、実際に高く売るためのスケジューリングについて、実務的な視点でお話しします。
多くの人が勘違いしている「契約」と「引き渡し」のタイムラグ
業者が3月の決算実績に含めたいのは、「3月31日までに名義変更が完了している車」あるいは「3月中に確実に販売できる車」です。
車の売却には、必要書類の準備や引き渡し、そして陸運局での名義変更手続きが必要です。これには通常、1週間から2週間程度の時間がかかります。
つまり、3月に入ってから査定を依頼しても、業者の決算処理に間に合わず、「決算価格」での買取を断られるケースがあるのです。
自動車税の課税を回避するための「3月中旬」デッドライン
絶対に避けなければならないのが、4月1日をまたいでしまうことです。 毎年4月1日時点での所有者に、1年分の自動車税の支払い義務が発生します。
もし手続きが遅れて名義変更が4月2日以降になってしまうと、手放したはずの車の税金通知書があなたの元に届いてしまいます(※契約条件により業者が負担する場合もありますが、トラブルの元です)。
このような事態を防ぐため、買取業者は「3月中旬までの車両引き渡し」を条件に高額査定を出すことが多いです。逆算すると、1月下旬から2月上旬には査定を受け、商談をまとめるのが最も安全で、かつ高く売れるスケジュールです。
繁忙期は査定の予約が取れない?早めの行動が吉
1月から3月は、車を売る人だけでなく買う人も多いため、買取店は一年で一番忙しい時期です。
土日は査定の予約がいっぱいで、希望の日時に来てもらえないこともあります。また、出張査定のスタッフもフル稼働しているため、対応が遅れがちです。
余裕を持って行動しないと、「売りたいのに売れない」ままズルズルと時間が過ぎ、高い時期を逃してしまうことになりかねません。
高い時期だけではない!1円でも高く売るための必須テクニック
時期やタイミングも大切ですが、それと同じくらい「車の見せ方」や「交渉」も重要です。最後に、私が現場で見てきた「高く売る人」が実践しているテクニックをご紹介します。
複数の買取業者を競合させることの重要性
1社だけの査定で即決するのは絶対に避けてください。 どんなに高い時期であっても、比較対象がなければ、その提示額が本当に高いのか判断できません。
最低でも3社程度の業者に査定を依頼し、「A社は〇〇円と言ってくれたんですが」と競わせるのが鉄則です。特に決算期は、業者も「他社に取られたくない」という心理が強いため、競合させる効果が絶大です。
車の掃除と臭い対策で査定員の印象アップ
「掃除をしても査定額は変わらない」と言う人もいますが、私の経験では印象点は確実に影響します。
泥だらけの車より、ピカピカに洗車され、車内が清掃されている車の方が、「大切に乗られていた車だ」という安心感を査定員に与えます。特に「タバコ」や「ペット」の臭いは大きなマイナスポイントです。査定前に消臭剤を使ったり、換気をしたりして、できるだけ無臭に近づけておきましょう。
整備記録簿や純正パーツの有無が査定額を底上げする
過去の整備履歴がわかる「点検整備記録簿」は、車の健康診断書のようなものです。これがあるだけで、プラス査定になることがあります。
また、社外品のナビやホイールに変えている場合、純正パーツが手元にあれば必ず一緒に提示してください。中古車市場では、改造車よりも純正状態の方が幅広い層に売れるため、純正パーツの有無は査定額を底上げする重要な要素です。
まとめ
車買取が高い時期について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
一番高く売れる時期は「1月~2月」と「7月~8月」です。しかし、これを待つことで走行距離が増えたり、年式が古くなったりするリスクがあることも忘れてはいけません。
大切なのは、カレンダー上の時期にとらわれすぎず、「自分の車にとってのベストなタイミング」を見極めることです。もし現在、売却を検討されているのであれば、まずは現在の愛車の価値を知ることから始めてみてはいかがでしょうか。
「今の相場を知りたい」「少しでも高く売りたいけれど、手続きが面倒そう」
そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度、ハッピーカーズ名古屋中央店にご相談ください。 私たちは、決算期などの時期に関わらず、独自の販売ルートとコスト削減により、常に高価買取に挑戦しています。
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